ナイキの厚底靴ヴェイパーフライの禁止で東京五輪や箱根駅伝2021はどうなる?












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ナイキの厚底シューズ〈ヴェイパーフライ〉が、世界陸連に禁止される見込みと複数の英メディアが報じました。果たして禁止されるか、東京五輪や箱根駅伝2021への影響は? 緊急リサーチです。

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長距離界で記録ラッシュ、国際陸連が調査

英国の新聞「タイムズ」「デイリーメール」「テレグラフ」などは1月15日、長距離界を席巻しているナイキの厚底シューズ〈ヴェイパーフライ〉について、国際陸連によって禁止される可能性が高いと一斉に報じました。

今では、皇居周辺を走る一般ランナーも履いている〈ヴェイパーフライ〉シリーズは超軽量で厚底、ソールには炭素繊維を使ったプレートが入っていて、高い反発力を生みます。

走っていると、ピョンピョン跳んでいる感覚になります。特にレース終盤では、疲労が少ない分、新記録につながりやすいと見られています。

実際〈ヴェイパーフライ〉を履いた選手らは、男女のマラソン世界記録を誕生させました。

日本勢では2018年2月、東京マラソン20189で、設楽悠太選手(28歳)が〈ヴェイパーフライ〉を履いて、2時間6分11秒の日本記録を16年ぶりに5秒更新、総合2位、日本人トップになりました。

その設楽悠太選手の日本記録を2018年10月7日、やはり〈ヴェイパーフライ〉を履いた大迫傑(おおさこ・すぐる)選手(28歳)が、シカゴ・マラソンで2時間5分50秒と更新。

2019年9月、東京で行われた東京五輪2020のマラソン代表選考会を兼ねたマラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)で、代表に内定した男女4人中3人が〈ヴェイパーフライ〉を使用。

2019年12月22日、京都で行われた全国高校駅伝では、各校のエースが集まる花の1区(10キロ)で、2003年に上野裕一郎選手(34歳)=佐久長聖3=が出した日本人最高記録28分54秒を〈ヴェイパーフライ〉を履いた3選手が16年ぶりに記録更新ラッシュ。さらに、歴代日本人2位の2009年の大迫傑選手=佐久長聖3=の記録も〈ヴェイパーフライ〉使用の延べ6人が上回る始末。

全国高校駅伝1区 日本人歴代記録
28分48秒 佐藤一世 八千代松陰3 2019
28分50秒 松山和希 学法石川3
28分52秒 鶴川正也 九州学院2
28分54秒 上野裕一郎 佐久長聖3 2003
28分55秒 小野隆一朗 北海道栄3 2019
28分56秒 石原翔太郎 倉敷3
28分58秒 喜早駿介 仙台育英3
28分59秒 鈴木芽吹 佐久長聖3
29分6秒 大迫 傑 佐久長聖3 2009

年が明けて2020年1月、青山学院大が、大会記録を6分以上もう更新して2年ぶり5回目の総合優勝を果たした箱根駅伝2020。

10区21チームの全210選手のうち、84パーセントの177選手が〈ヴェイパーフライ〉を使用していました。

また、区間新記録を出した7区間のうち、6人の選手が〈ヴェイパーフライ〉を履いていました。

〈ヴェイパーフライ〉のあまりの新記録ラッシュに、国際陸連は2019年秋から、調査チームを立ち上げて、調査に当たっていました。

国際陸連によると、調査結果は2020年1月末にも発表される予定です。

「現在のところ、まだ審議中で、1月末に発表できると思います」

英紙は独自取材で〈ヴェイパーフライ〉の使用禁止の結論をキャッチしたと見られています。

〈ヴェイパーフライ〉は試合用、練習では薄底シューズも

自らも箱根駅伝に出場経験のある東農大OBでスポーツライター酒井政人さん(42歳)は、

「ちょっと記録が出過ぎていたところで、いろいろ問題視されたと思うんですよね。ナイキのシューズが厚くなることに、スピードが増しているんじゃないのかなと、目を付けられたんだと思います」

今回の報道について、選手や監督はどう思っているのでしょうか。

3度目の挑戦で初めてシード権(10位以内)を獲得した創価大駅伝部。

このチームでは、出場した10選手のうち、ほとんどが〈ヴェイパーフライ〉を履いていました。

共に普段の練習では、薄底のシューズで筋力を鍛え、試合では〈ヴェイパーフライ〉を使用しています。

新家裕太郎(にいなえ・ゆうたろう)選手(1年)=大阪=は、戸惑いを隠しません。

「分厚くてあまり疲労が来ないっていうのが、このシューズの特徴だと思うんですけど、やっぱり分厚い靴を履いてて、薄い靴に戻ると疲労が来やすくなったりして、感覚が全然違うので、まだ決まっていないとは思うんですけど、戸惑いはあります」
「履けないなら履けないで、薄いシューズへの対策もしないといけないと思うので、できるだけ早く教えてほしいなってのはあります」

〈ヴェイパーフライ〉を使用せず、10区で区間新記録を出した嶋津雄大(しまづ・ゆうだい)選手(2年)=若葉総合=は、自分の信念にブレはありません。

「今までの靴を履いていたのとは全く違うような、別次元と言ってもいいような記録が数多く出されている靴なので、そういう判断を下したのかなって、まぁ、納得はしています」
「感覚とか取り戻さないといけない選手もたぶん数多くいると思うので、決めるにしても早く決めたほうがいいのかなと思います」

中大時代、4年連続で区間賞を取った榎木和貴(えのき・かずたか)監督(45歳)は、いささか複雑な思いです。

「今までやってきたことをしっかりと継続してゆければ、まぁ(厚底)シューズが使えないから、マイナスってことにはならないかな、と。(厚底シューズを)禁止にして記録が取り消されるんだったら(選手の)努力ってところまで消されるというのは納得がゆかない部分はありますけど」

東京五輪では影響なし、箱根駅伝2021は?

〈ヴェイパーフライ〉を使用し、東京五輪マラソン代表に内定している中村匠吾選手(27歳)は、コメントを発表しています。

「選手としては決められたルールの中で対応するが、どのような結果となっても、自分の力を発揮するだけと考えている」

酒井政人さんは〈ヴェイパーフライ〉が禁止になった場合、3月の代表選考会に影響が出る可能性もあると見ています。

しかし、8月の東京五輪本番では、世界のどの選手も同じ条件のために影響はないとしています。

箱根駅伝2021では、ほぼ1年は猶予期間があるので、東京五輪以上に影響は全く出ないと思います。

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