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箱根駅伝2020で2年ぶり5回目の優勝を決めた青山学院大。実は、4年生4人が退部していました。4人の名前は? 栄光の陰にあった原晋監督(52歳)の厳しい指導をリポートします。
志し半ば、チームを去った4年生4人
箱根駅伝2020で、2年ぶり5回目の総合優勝を遂げた青山学院大。
前回王者・東海大のマークした大会記録を6分46秒も上回る新記録で、王座を奪還しました。
一時はシード権確保(10以内)も危ぶまれた危機から一転、王者の復活です。
指揮官の原晋(はら・すすむ)監督(52歳)が2019年12月の監督トークバトルで掲げた「やっぱり大作戦」は“やっぱり”大成功でした。
青山学院大の復活優勝の原因に、メディアは、原晋監督の厳しさを求めたチーム改革、泥臭いまでの走り込み、しがらみを捨てた厚底シューズの“解禁”を挙げています。
この3つを「原監督三大改革」と呼ぶメディアもあります。
中でも、1番目の「厳しさを求めたチーム改革」では、4人の4年生がチームを去らなければならなかったと、報じられています。
4人の名前と退部理由は?
その4人とは誰か――メディアは報じませんが、次の4人の名前がささやかれています。
氏名:植村拓未(うえむら・たくみ)
出身地:広島県
学歴:周南市立富田(とみだ)中学校卒業、県立世羅(せら)高等学校(偏差値40~46)卒業、青山学院大学4年在学中
高校成績:2015全国高校駅伝6区1位、2016都道府県駅伝4区5位
大学成績:2018学生ハーフマラソン98位(1時間6分2秒)
三大駅伝:出場なし氏名:永井拓真(ながい・たくま)
出身地:茨城県
学歴:日立市立泉丘(いずみがおか)中学校卒業、私立水城(すいじょう)高等学校(偏差値46~67)卒業、青山学院大学4年在学中
高校成績:2013全国高校駅伝2区16位、2014全国高校駅伝4区45位、2015都道府県駅伝4区29位、2015全国高校駅伝4区1位、2016都道府県駅伝1区29位
大学成績:2018学生ハーフマラソン314位(1時間8分44秒)
三大駅伝:出場なし氏名:花輪瑞貴(はなわ・みずき)
出身地:山梨県
学歴:韮崎(にらさき)市立韮崎東中学校卒業、県立韮崎高等学校(偏差値53~60)卒業、青山学院大学4年在学中
高校成績:2015都道府県駅伝4区42位
大学成績:2019学生ハーフマラソン130位
三大駅伝:出場なし氏名:田辺浩司(たなべ・こうじ)
出身地:北海道
学歴:美幌(びほろ)町立北中学校卒業、私立北海道栄高等学校(偏差値40~59)卒業、青山学院大学4年在学中
高校成績:2014全国高校駅伝1区20位、2015全国高校駅伝1区13位、2016都道府県駅伝1区41位
大学成績:
三大駅伝:出場なし
植村拓未、永井拓真、花輪瑞貴の3選手は、大会記録や動静などから、2019年3月に退部に追い込まれたと見られています。
退部の理由を、日刊スポーツは、次のように報じています。
3月に勉学、生活態度が乱れていた3人がやめた。
(ミーティングで)選手たちに意見をぶつけさせた。
後輩は「学業をおろそかにするような人と一緒にやりたくない」。
さらに、6月に、4年生が1人、退部させられました。日刊スポーツは、事情を報じています。
6月には“1軍”ではない寮で、規則で禁じられている飲料が発覚。
当事者は手本になるべき4年生だった。陸上で強くなるという決意の欠如――。
指揮官は「こんな4年生には、付いていきたくないよね」。厳しい言葉を並べた。
鈴木(塁人)主将は「一緒にやりたい気持ちもあったが、厳しくならなければ箱根を取れない」。
話し合いの末、部から離れてもらう結論に至った。もちろん過去にも退部者はいたが、強豪になり、4年生が短期間に4人もやめるのは初めて。
鈴木主将は「やめた4年生とは交流はない」。
6月の退部者が、動静や消息などから、田辺浩司選手だと見られています。
記事を詳しく解説すると、青山学院大陸上競技部の寮は、2カ所にあります。
1つは、東京都町田市中町2丁目にある町田寮。管理人の原晋監督と寮母の原美穂夫人と共に“1軍”の選手、1年生が2人1部屋で暮らしています。
もう1つは、相模原市中央区淵野辺5丁目にある二寮(にりょう)です。二寮には、主力ではない“2軍”の選手、故障者ら約9人が暮らしています。
二寮は、町田寮のように独立した建物ではなく、普通の人も住むアパートを2室借りているだけです。
町田寮では、寮母・美穂さんらが栄養などを考慮して作った朝食、夕食を取られますが、二寮は青山学院大相模原キャンパスの学食で通常のメニューを食べるだけです。
また週2回、町田寮で行われているトレーナーのケアは、自分で予約して、町田寮に行って受けなければなりません。さもなければ、周辺の治療院を自分で予約してゆくことになります。
不便ではあるのですが、二寮は相模原キャンパスに近いので、午後9時までの大学のフィットネスセンターを自由に使えます。また、町田寮の選手と違って、大学への行き帰りにジョグをする必要もありません。
さらに、規則はあるものの、原晋監督らの目が及ばず、学生だけの管理なので、規律がいくぶん緩い、気ままな面があります。
4年生の飲料事件は、そんな学生同士の気安さの中で、起こってしまったのでしょう。
町田寮と二寮は、半年ごとに入れ替えが行われます。
箱根駅伝の強豪・青山学院大なら、箱根の終わる1月、7月が入れ替えの時期でしょう。
4年生の場合、最終年の後期も二寮のままで、町田寮へ移れないのなら、自動的に箱根駅伝の出場が断たれてしまいます。
あるいは、もしかしたら、退寮を求められるのかもしれません。
そんな中で、目標を見失った4年生が、刹那的に飲料を摂取してしまったのではないでしょうか。
今日の一言は植村拓未です
センセーションとは人々を驚かせるような出来事のことを言います
厳しい夏合宿をそれぞれが努力することで乗り越えて駅伝シーズンに青学が一大センセーションを巻き起こせるように頑張っていきましょう! pic.twitter.com/I1RRQqVVfg— 青学大陸上競技部(長距離ブロック) (@aogaku_rikujyou) August 25, 2016
今日の一言は永井拓真です
箱根駅伝も終わり四年生が次々と退寮していきますがどの四年生も充実した顔つきで退寮します
終わった時に後悔がないよう毎日を大切に過ごしていきましょう! pic.twitter.com/IuYgOMMzl1
— 青学大陸上競技部(長距離ブロック) (@aogaku_rikujyou) January 20, 2018
今日の一言は花輪瑞貴です
皆さんは空いた時間が出来たら何をしていますか? 自由時間の過ごし方一つで選手としての成長度合いが大きく変わってきます
振り返って、もったいない時間を過ごしたなと思う事のないよう、すべき事をよく考えて行動に移していきましょう! pic.twitter.com/XzDy2z9CqF
— 青学大陸上競技部(長距離ブロック) (@aogaku_rikujyou) March 1, 2017
今日の一言は田辺浩司です
この言葉には、一つにつながるという意味があります
駅伝シーズンは走る選手とそうでない選手がでますが、そういった状況や立場を超えて苦楽や困難を共有し、より結束を深めて一丸となり、駅伝に挑んでいきましょう! pic.twitter.com/B9pkN2gq1f— 青学大陸上競技部(長距離ブロック) (@aogaku_rikujyou) September 23, 2016
厳格で非情、原晋監督の裏の顔
原晋監督には、2つの顔があると言われています。
1つは、マスコミ向けの明るい、ユーモラスな笑顔。
もう1つは、部内で見せる厳格で、非情な顔です。
全国から有望な選手を多く集めてくる原晋監督ですが、一方で、見切りが早いので有名です。大学関係者が声を潜めます。
「原晋監督は、選手として芽が出なそうだなと感じたり、ケガが長引いたりすると、下級生のうちから『辞めたほうが、いいんじゃないか』とか『マネジャー(主務)にならないか』と引退を勧めます。これには『いくら何でも、見切りが早すぎるんじゃないか』という声も少なくありません」
箱根駅伝2020で10区のうち4区を走った4年生たちも、新チームになった当初から、原晋監督にダメ出しされてきました。
「史上最弱、ダメダメ世代」
3区を走った主鈴木塁人主将は、振り返ります。
「前期シーズンは怒られっぱなしで、4年生同士でみんなで辞めるかと、そのぐらいまで追い込まれた」
マネジャー転向も勧められた7区の中村友哉選手も、告白しています。
「寮で監督に会うのも嫌だったし、顔も見たくなかった」
勉学、生活態度の乱れから3月に3人、寮則違反から6月に1人、4年生が辞めさせられました。
4人と目される中には、原晋監督の母校・広島県立世羅高校出身の選手もいます。原晋監督は、直系の後輩を容赦なく切り捨てたわけです。
そこに原晋監督の覚悟を感じ取って、チームはピリッと引き締まったのかもしれません。
鈴木塁人主将は、こうも明かします。
「(箱根駅伝)優勝を目指す選手にふさわしいか、ふさわしくないか、話し合いを重ね、春に4人がチームを去りました。本来、あってはならないことだし、3年間、一緒にやってきた仲間が去ることは悲しかった」
毎年11月の全日本大学駅伝。箱根駅伝に出られないチームにとっては、この大会がシーズン最終戦になります。とりわけ、4年生はラストランとなります。
他の大学は、メンバーや補欠に関係なく長距離部員全員を大会会場の三重県に連れてゆきます。
しかし、青山学院大は“2軍”の選手は千葉県富津市で合宿、練習の合間にテレビ観戦するだけです。
また“2軍”の練習を、原晋監督は見ず、コーチらが見るだけです。
“2軍”の選手が、いい走りを見せて、好調な練習を続けていても、原晋監督の目には直接、届きません。
しかし、鈴木塁人主将は、こうも語ります。
「箱根駅伝が近づくにつれて、チームが1つになって『いけるぞ』という雰囲気でやれた。そこが原マジック」
原晋監督は、インタビューに答える選手たちの傍らで、笑顔を見せていました。
「最後は、笑顔でいてほしかった。私の指導は怒鳴り上げてやるわけでなくて、覚悟を持たせることを追求した指導。その覚悟を、学生たちが持ってくれた」
自主性の尊重と、厳しさと。原晋監督のマジックは、2つのバランスの上に成り立っているのでしょうね。
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