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大迫傑ら一流選手の履くナイキのピンクの厚底シューズが注目され、箱根駅伝2020にも登場しそうです。靴の秘密や、どこで買えて値段は?などをリサーチしました。
MGC男子30人中16人がナイキを着用
※2020年1月17日追記
国際陸連がナイキの厚底シューズ〈ヴェイパーフライ〉を禁止する見通しとの英紙報道が1月15日、なされました。最新の情報は、別稿「ナイキの厚底靴ヴェイパーフライの禁止で東京五輪や箱根駅伝2021はどうなる?」でフォローしています。そちらも併せて、ご覧ください。
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2019年9月15日(日)に東京都で行われたMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)。
2020年東京五輪マラソンの日本代表選考会ともなっているレースは男子30人、女子10人が参加。男女一斉にスタートしました。
スタートして間もなく、選手たちが揃って履くナイキのピンクのシューズが注目されました。
男子30人中、何と16人が着用。
優勝した中村匠吾選手(27歳)=富士通=、2位の服部勇馬選手(26歳)=トヨタ自動車=、3位の大迫傑選手(28歳)=ナイキ・オレゴン・プロジェクト=をはじめ、上位10人のうち8人が、ナイキのピンクのシューズを履いていたのです。
女子は、2位の鈴木亜由子選手(28歳)=日本郵政グループ=が、やはりナイキのピンクのシューズでした。
つまり、2020東京五輪のマラソン日本代表に決まった4人のうち、3人がナイキのピンクのシューズを履いていたのでした。
あまりのバズりぶりに、翌9月16日付の朝日新聞朝刊コラム「天声人語」も取り上げたほどです。
しかし、それまで、ナイキは日本選手にとってあまり人気ブランドではありませんでした。
過去の五輪男子マラソンで、ナイキは、2000年シドニー五輪の川嶋伸次さん(53歳)しか履かれていません。
ぶっちゃけ、日本人の甲高幅広(こうだかばんびろ)の足には、日本製のアシックスやミズノのシューズが最もフィットします。
とりわけ、年配者にはオニツカタイガーの名で知られたアシックスは、国内シェア1位で、多くのアスリートや愛好者に愛用されてきました。
あの元メジャーリーガー、イチローさん(46歳)もグラブやバットはミズノなのに、スパイクだけはアシックスでした。
それなのに、今回のナイキの躍進は、一種の大ニュースだったんですね。
ナイキのピンクの靴は〈ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉
MGCの出場選手の多くが履いていたピンクのシューズは〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉の新色ピンクブラスト(Pink Blast)です。
英語で書くと“Nike ZoomX Vaporfly NEXT%”です。
「ヴェイパーフライ」の“vapor”は「水蒸気」、“fly”は「消える」意で、合わせて「水蒸気が消える」=「蒸れない」という意味の造語です。
「ネクスト%」は素直に「ネクスト・パーセント」と読みます。
〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉は、米スポーツ用品メーカー〈ナイキ〉の傑作ランニングシューズ〈ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%〉が2019年4月にリニューアルされた製品です。
ちなみに「4%」とは発売当時、それまで〈ナイキ〉製シューズで最も速いシューズとされていた〈ズーム ストリーク6〉より、ランニング効率が平均4%高くなったので、名付けられました。
「ネクスト%」は「4%」より、さらに上を行く意味ですね。
繰り返しますが〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉は2019年4月に発売されたのですが、新色ピンクブレストがMGCレース当日の9月15日に発売されました。
選手たちには先行して、ピンクブレストが提供されていたんですね。
ちなみに、ブラスト(blast)とは英語で突風。ピンクブラストとは、ピンクの突風、つむじ風という意味ですね。
〈ナイキ〉だけあって、やはりエアにちなんだネーミングですね。
箱根駅伝2019では、阪口竜平選手(東海大)ら多くの選手が〈ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%〉を履いて、レース本戦に臨みました。
今シーズンの箱根駅伝2020では、MGC同様〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉のピンクブラストが主流になるはずです。
厚底ソールとカーボンプレートが生む高反発力
では〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉は、以前のモデルとは、どう違うのでしょうか?
こうやって、旧モデルと並べてみると、一目瞭然(いちもくりょうぜん)ですよね。
ソール(底)の厚さが、全然、違いますよね。いわゆる、厚底なんです。
かかとのソールは厚いのに、つま先のソールは薄いですね。この厚さの違いが蹴り出す力、推進力になります。
〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉は、ランニングシューズの常識を根本から覆す、画期的な製品なんです。
靴底には、カーボンファイバーのプレートが入っています(注 カーボンプレートは、前モデルにも入っています)。
このプレートが、バネ板みたいに、しなるんです。
このプレートと厚底ソールが強い反発力を生み、まるでピョンピョンと跳び上がるような走りを生み出すんです。
キプチョゲは世界記録、〈ズームエックス〉で2時間切り
〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉は、ケニアのマラソン選手エリウド・キプチョゲ(35歳)らの要望を入れて、開発されました。
キプチョゲ選手の要望は、
「レース終盤の膝の痛みをなくしてほしい」
というものでした。
このため〈ナイキ〉の開発者たちは、ソールのフォームを15%も増やしました。それなのに、重量は前モデルと同じです。
キプチョゲ選手は、シューズのクッション性能の進歩に目を見はりました。
「すごい進歩だ。クッションが激変したよ」
キプチョゲ選手の要望を入れて改良したシューズで、キプチョゲ選手は、次々に偉大な記録を打ち立ててきました。
2018年9月、ベルリン・マラソンで、タイムを1分以上も縮めた世界最高記録2時間1分39秒という驚異的な記録をマーク。
2019年10月12日、ウィーンで行われた特別レース「イネオス1:59チャレンジ」に出場し、1時間59分40秒というタイムをマークしました。
人類史上初めて、マラソンで2時間を切った大記録です。
国際陸連の非公認レースのため、世界最高記録には認定されませんでしたが、2時間切りは目前、時間の問題という感じです。
大迫傑は日本記録「軽さと反発を1つにした」
大迫傑選手は2018年10月7日、米シカゴ・マラソンで2時間5分50秒の日本最高記録をマークしました。
大迫傑選手は〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉の性能を絶賛しています。
「軽さと反発は、なかなか1つにならなかったが、その理想を1つの形にしたシューズ。履いた瞬間『これはいけるな』と感覚を得ました」
この感覚は大迫傑選手のみにとどまらず、多くの一流選手が共感して〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉は広がりを見せてゆきました。
〈ズームエックス〉の値段は?お勧め練習用シューズは?
世界と日本のトップランナーが使用するに伴い、一般ランナーにも〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉が人気を集めています。
実は、この〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉は、一般ランナー向けに市販もされているんです。
メーカー希望小売価格は、3万250円(税込み)です。
サイズは、23センチから30センチまで、0.5センチ刻みです。
色は、ピンクブラスト、グアバアイス、ブラックの3色です。
〈ナイキ〉のフラッグシップストアを訪れて〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉を試着する人も増えています。
「すごい軽くて、びっくりした」との声も寄せられています。
トップランナーに役立つシューズは、一般ランナーでも有効なんですね。
ボーナスの時季に、自分へのご褒美、クリスマスプレゼントに買ってみるのもいいですよね。
そう思って、私も近くのスポーツ用品店に行って〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉を試着してみようと思いました。
しかし、残念ながら〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉は置いてなくて、試着できませんでした。
しかし、応対してくれた店員さん(20代男性)が、新興勢力の陸上部に所属していたとかで〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉の感想などを聞けました。
店員さんの話では〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉は軽くて、しかも反発力があって素晴らしいんですって。
走り始めた前半よりも、疲労が高まってきた後半や終盤に威力を発揮する感じですって。
〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉はあいにく、お店には在庫がなかったのですが、注文で取り寄せ可能のうえ〈ナイキ〉のサイトで購入できます。
サイトで購入する場合、リアルのショップであらかじめ他の〈ナイキ〉シューズで、サイズを測っておくといいです。
「でも……」
店員さんが、ちょっと困った風な表情になりました。
「〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉は、試合用のシューズです。普段の練習用には、他のシューズがお勧めですよ」
なるほど。3万円もする試合用シューズを毎日の練習に使えるリッチな人って、なかなかいませんよね。大迫傑選手だって、普段は練習用シューズを履いているのでは(笑)。
そう思って、店員さんに〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉の感触に近いお勧めの練習用シューズを教えてもらいました。
イチ押しは〈ナイキ ズーム フライ3〉です。メーカー希望小売価格は1万7600円(税込み)なんですが、少し古くなったセール品だと8000円台に下がることもあります。
厚底で、カーボンファイバー製プレートも入っています。〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉の設計思想を採り入れた製品です。
この〈ナイキ ズーム フライ3〉を履いて練習し、本番の大会で〈ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%〉を履くと、感触が同じまま、高性能を引き出せるとか。
しかも、この〈ナイキ ズーム フライ3〉は一般ランナーなら、試合用に履いても全くOKです。
もう1つは〈ナイキ ズーム ペガサス ターボ2〉。
メーカー希望小売価格は、1万9800円(税込み)ですが、セールするお店もあります。
こちらの製品はカーボンファイバー製プレートが入っていませんが、そのぶん、軽くなっています。
5~10キロ走や、ハーフマラソンをマイペースで走りたい人には、こっちのほうが断然お勧めですって。
確かに、市民ランナーは全員がタイムアタックして走るわけではないので、楽しみながら走りたい人には、むしろ打って付けかもです。
ランニングシューズの主流となってきた〈ナイキ〉、自分でその走りを体感してみたいですよね。
これからの季節、気分は箱根駅伝で、ランニングを楽しんでみたいです。
ナイキの厚底靴ヴェイパーフライの禁止で東京五輪や箱根駅伝2021はどうなる?
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