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安倍晋三首相の元秘書の息子が東京都内のゲームセンターでケンカを起こし、相手が逮捕されました。忖度(そんたく)で警視庁捜査一課の刑事が投入された説を緊急リサーチしました。

中村格・警察庁官房長
ゲームに負けた腹いせ?覆いかぶさり1発殴る
「子供の喧嘩(けんか)に親が出る」という諺(ことわざ)があります。
日本国語大辞典では「子どもどうしの喧嘩に親が干渉するのをそしっていう。つまらないことを騒ぎたてて、外から口出しすることのたとえ。また、おとなげないことのたとえ」とあります。
子どもの同士のケンカに親がキレて、口を出すことを指します。別名、親バカ(笑)。
褒められはしませんが、人間はケンカをするものです。ケンカをして大人になってゆくんです。
でも、大人になってからのケンカは大ごとになってしまうので、なるべく小さいうちにケンカは卒業するのがいいですよね。
なので、どこかの国はともかく、日本では子どものケンカに親はしゃしゃり出ないことになっています。年上のお兄さんが、口を挟むことも望ましくないとされています。ましてや、警察沙汰(ざた)になど。
それなのに、子どものケンカに、警察が出てきたんです。
それも、泣く子も黙る警視庁の精鋭、捜査一課の刑事だと言うんですから、開いた口がふさがりません。
子どものケンカって、そんなに凶悪犯罪なの!? いったい、日本はどうなってるの!?
報道によると、ケンカは2015年11月に起こりました。
東京都世田谷区内のゲームセンターで、子ども(年齢未公表)が、成人の会社員男性に殴られる事件が発生しました。
ゲームセンターの話では、レーシングゲーム〈グランツーリスモ〉をやっていた子どもが、30代と思(おぼ)しき大柄な男に殴られました。
ちょっかいこそ出しませんでしたが、子どもさんからけしかけた恰好(かっこう)でした。
ゲームに負けた腹いせに、怒った男は、子どもに覆いかぶさって一発、殴りました。
男の氏名は不明、そのまま、ゲームセンターを出て行ってしまいました。
刑事部長→一課長→刑事「3日で、犯人を逮捕しろ」
ここまでなら、よくある盛り場のケンカです。
放置していいわけではありませんが、決して深入りするほどではない。
そういったケンカが続けば、管轄の警察署や交番は警戒するでしょう。学校やPTA、地域を通じて注意を喚起するかもしれません。
被害者のお子さんは、これを機にゲームセンターなどへの立ち寄りをしばらく自粛して、家や学習塾でおとなしく勉強していればいいです。
お小遣いは節約できるし、学校の成績はアップするし、一石二鳥じゃないですか(笑)。
私が親なら、そうやって注意して、終わりにします。いい子にして、次のテストで成績が上がったら、新作ゲームソフトを買ってあげてもいいかな(笑)。
まあ、日本全国の大抵の親御さんが、私と同じくするんじゃないでしょうか。それで終わりにしますよね。
ところが、2015年11月のゲーセンのケンカは、それで済みませんでした。
被害者の子どもの父親が、管轄の世田谷署で職業を聞かれて、得意げに答えたんです。
「安倍総理の秘書をしていました」
もしかして、自慢? 普通は、警察官に職業を聞かれて、前職なんか答えませんよね。
――ご職業は?
「会社員です」
通常は、コレで済ませますよね。「何の会社ですか?」と更に聞かれて「建設資材の販売会社です」と答えたりはあるかもしれません。
でもね、仮に聞かれた人が、例えば、
「プロ野球の元選手です」
と答えたら、それって、もっと尋ねてくれ、ツッコンでくれってことですよ(笑)。
被害者のお子さんの父親が「安倍総理の秘書をしていました」って答えたら、大ごとになるのは必至ですよね。
果たして、大騒ぎになってしまいました。
加害者は呆然自失で逮捕
事件の報告書は、世田谷署から、警視庁本部に上げられたんです。
報告書には、政治家がらみの案件と示すカク秘の印が押されていました。
カク秘とは、四角い枠で囲まれた秘のハンコです。
よくドラマなんかに秘を〇で囲んだマル秘マークの文書が出て来ますが、カク秘はそれよりも重要で、取り扱い注意、保秘厳重という意味のハンコです。
そのカク秘の押された報告書を見て、当時の警視庁の中村格(なかむら・いたる)刑事部長(56歳)=現・警察庁官房長、警察庁ナンバー3=は、飛び上がりました。
ただちに、部下の釣宏志(つり・ひろし)捜査一課長=現・警視庁警察学校長=を呼び出して命令しました。
「一刻の猶予も、まかりならん。(犯人を)3日で逮捕しろ」
釣一課長は、三鷹署で別の事件の捜査に当たっていた捜査一課の刑事を、本部6階の約20畳の一課長室に呼び出しました。
「三鷹をちょっと止めて、別件をやってほしい。世田谷署管内のゲームセンターで、子どもが殴られた。すぐやってくれ、3日で逮捕しろ。これは、中村刑事部長のご下命だ」
まるで、テレビドラマ「踊る大捜査線」(フジテレビ系、1997年)のスリーアミーゴス(舞台の湾岸署の署長、副署長、刑事課長)みたいですよね(笑)。
保身と卑屈、それでいて、どこか憎めない、とぼけた味のあるスリーアミーゴス。
でも、こちらのアミーゴスは、全く笑えません。命令を受けた刑事の頭の周りには、クエスチョンマークが飛び回りました。
〈何で俺が? ゲーセンのケンカに捜査一課が? 今、抱えている仕事をどうしろと?〉
しかし、タテ社会の警察組織。嫌とは言えません。
「分かりました。誰を連れてゆけば、いいですか」
刑事は不満を胸に収め、捜査に赴きました。
何とも、お気の毒ですよね。でも、その刑事さんは、実に優秀な人で、店内と周辺の防犯カメラを分析して、犯人を割り出しました。
世田谷署では、傷害容疑で逮捕状は取れなかったので(ケガはなかったことになります)、暴行容疑で逮捕状を東京地裁に請求。
きっちり3日で、被疑者の男性を逮捕、東京地検に送致しました。
関係者が、当時を振り返ります。
「むしろ、加害者のほうが、かわいそうになっちゃいました」
加害者の男性は、呆然自失の様子だったとか。
そりゃ、そうでしょう。ゲーセンでおちょくってきた子どもに1発かましたら、3日後に刑事が来て逮捕されちゃったんだから。
一般の人にとって、逮捕されるって大変なこと。
容疑は何だろうと、もしかしたら無実かもしれなくても、会社はクビになります。
親が、学校の先生などの公務員だったら、親まで責任を取らされます。隔離されて実質の謹慎処分か、左遷か、あるいは自主的な辞職を求められるかもしれません。
定年退職している公務員OBなら、叙位叙勲は、一回り分、吹っ飛んでしまいます。
彼女さんにも愛想をつかされ、別れを告げられたり。
もう同窓会に顔を出せなくなったり。
とにかく、逮捕されるって、大変なことなんです。
だから、めったなことは、人を簡単に逮捕しちゃならないんですよ。
その事件で逮捕された人は、世田谷署の留置場で、人知れず涙を流して、泣いていたでしょうね。
確かに、罪は罪なんだけれど、まさか、ここまでやるとは。加害者の人が気の毒でなりません。
被害者の父親の元政策秘書は誰?
本当なら、捜査一課長の釣さんが、キッチリ筋を通すべきでした。
「刑事部長、いくら被害者が総理秘書のお子さんでも、それぐらいの軽微な事件で、捜査一課は出動できません」
映画『64―ロクヨン―』で、三浦友和さん演じる松岡捜査一課長なら、毅然と荒木田刑事部長(奥田瑛二)に言い返したでしょうね。
ところが、ダイエーからの転職組で、刑事として現場を踏んだことのない釣さんは、中村格刑事部長の言いなりのまま。
まさに「牛刀をもって鶏を割く」(《「論語」陽貨から》小さな物事を処理するのに必要以上の大がかりな手段を用いることのたとえ)ですね。
これだけの大騒動を引き起こした、安倍晋三首相の元政策秘書を調べてみました。
国会議員には、公費で、つまり税金で3人の秘書を雇えることになっています。
政策秘書と公設第一秘書、公設第二秘書の3人です。
政策秘書は、正式には政策担当秘書といい、資格試験の合格者、または選考採用審査で認定された者のみがなれることになっています。
国会法132条2項「主として議員の政策立案及び立法活動を補佐する」仕事です。
しかし、具体的な氏名は、国会議員と違って公開されていないので、調べても分かりませんでした。
現役の政策秘書でも分からないのに、元となると全く分かりませんね。
安倍晋三首相の元政策秘書では、飯塚洋さん(62歳)が有名です。
2005年の建設コンサルタント〈ヒューザー〉による、マンションやホテルなどの耐震偽装の構造計算書問題で、浮上した政策秘書(当時)ですね。
渦中の〈ヒューザー〉社長は、飯塚洋・政策秘書を訪れて、相談に乗ってもらっていたのでした。
しかし、今回の元政策秘書は、未成年の子どもの父親なので、62歳の飯塚洋さんとは、ちょっと考えづらいです。まあ、なくはないのでしょうが(笑)。
というわけで、被害者の父親の元政策秘書は不明としておきます。
何か分かったら、アップロードしてゆきたいと思います。
伊藤詩織さん事件で批判された過去
今回の騒動の渦中の人、中村格・警視庁刑事部長は現在、警察庁のナンバー3、官房長の要職にあります。
改めて、プロフィールをご紹介すると、中村格さんは福岡市出身、福岡市立警固(けご)中学校卒業、私立ラ・サール高等学校(偏差値78)卒業、東京大学法学部(文科一類、偏差値67.5)卒業。
国家公務員採用Ⅰ種試験(当時)に合格して1986年、警察庁に入庁。いわゆるキャリア組です。
和歌山県警捜査二課長、千葉県警捜査二課長、在タイ大使館一等書記官、警視庁捜査二課長などを経て菅義偉官房長官秘書官、警視庁刑事部長を歴任。
2018年9月から、警察庁官房長。次期異動でナンバー2の警察庁次長に、やがては警察庁長官にと目されている人です。
たいへん優秀な方であるのは間違いないのですが、ジャーナリスト伊藤詩織さん(30歳)の事件では2016年6月、東京地裁から出された逮捕状の執行を直前で中止させたとして話題になりました。
その是非は、専門外の私には分からないので割愛させていただきますが、安倍晋三首相に忖度しての判断であると随分、批判されましたよね。
今回の騒動では、やはり上に弱く下に強い人なのではないかと思われる切っ掛けになっています。
伊藤詩織さん事件とは別に、ほかに仕事を抱えている部下に、個別の事件に対して捜査を命令するのは、どうかと思います。
仮に対応が不安だったとしても、聞くにとどめるのが上に立つ人の節度ある行動だと思います。
「逆命利君(ぎゃくめいりくん)」という言葉があります。
君主の言いなりになってはならない。時に君主の命令に逆らうことが、君主のためになることもあるという意味です。
秀吉の軍師、竹中半兵衛は、謀反を起こした荒木村重の交渉に赴いた盟友・黒田官兵衛が帰還しないので、人質の嫡男・松寿丸の処刑を命じられました。
しかし、官兵衛を信じる竹中半兵衛は、秀吉の命令に逆らって松寿丸を助けたのでした。後に、竹中半兵衛は、この一件で秀吉に感謝されます。
これが逆命利君です。
上の人の言いなりになる重臣なら、要りません。
忠義を尽くすために、時に主の命令にも逆らう――これが真の忠臣です。人物です。
己の出世のために、組織を曲げることは、決してあってはなりません。
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