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東京・銀座の高級クラブのホステスとしての報酬を隠し、派遣会社を使って法人税約6700万円を脱税した容疑で、千尋ママこと青木のり子社長(38歳)=東京都港区=らが、東京国税局から法人税法違反の容疑で千葉地検に告発されていたことが分かりました。千尋ママのプロフィールや脱税の手法などを緊急リサーチしました。
所得隠し2億8600万円、ママの報酬を派遣会社の売り上げに
関係者によると、青木のり子社長は、店の経営者から得る報酬の税金対策のため、天野文彦税理士(47歳)=千葉県柏市=に依頼して派遣会社〈ダブルファイブ〉(東京都港区)を設立。自らは社長に納まりました。
自分自身をホステスとして派遣する形で、店からの報酬を〈ダブルファイブ〉社の売り上げに計上し、納税額が少なくなるようにした疑いです。
また、売り上げの一部を除外して、店を赤字に見せかけるなどして、2012~17年の6年間で約2億8600万円の所得を過少申告、隠した金は〈ダブルファイブ〉社名義の預金で保管していたと見られています。
青木のり子社長は、代理人の弁護士を通じて、コメントを出しました。
「一部見解の相違もあったが、指摘を真摯(しんし)に受け止め、当局の指導に従い、修正申告と納付を完了した。今後は、適正な税務申告に努める」
天野文彦税理士は税理士試験に合格後、2004年に税理士登録。旧姓は小鹿(こじか)で、査察調査後に改姓しました。メディアの取材に対し、天野文彦税理士は、次の通りに答えています。
「責任を取り、今月中に廃業する」
青木のり子(千尋)ママは、ガメツかった!?
青木のり子社長がママを務めている高級クラブは、銀座でもトップクラスの売り上げです。
「千尋ママ」こと青木のり子社長とは、どんな人なのでしょうか? なぜ、脱税の疑いが持たれているのでしょうか?
素顔の青木のりこ社長は、いかにも高級クラブのママらしい雰囲気の大人の美人ですよね。
青木のり子社長のInstagramの画像に「銀座クラブSOL千尋ママ様」とあります。
なので、青木のり子社長が雇われママを務めていた銀座のお店は高級会員制クラブ〈SOL(ソル)〉と見られています。
それにしても、銀座随一の高級クラブのママが、なぜ、こんな脱税容疑に手を染めたのでしょうか。
事情通氏(仮名)に、お話しを伺って見ました。事情通氏は税務申告に明るく、かつ銀座のクラブ事情にも通じている方です。元会社経営者の70代の方とだけ、お伝えしておきます。
――クラブ〈ソル〉とは、どんなお店でしょうか?
「2016年にできた、銀座では新しい店です。銀座8丁目の並木通りに面した中島商事ビルの3Fにあります。一帯は、クラブだらけ。報道では、高級会員制クラブとあるけれど、ひと座り5万円が基本の銀座にすれば、会員制なんて、あまり意味がない。近所の鮨屋(すしや)の大将や、バーのマダムに頼めば、速攻で会員になれるからね(笑)」
――お店のグレードは? 行かれたことはあります?
「中島商事ビルには同じ3階に〈真由〉って店があるけど、そっちのほうが格上じゃないの? 〈ソル〉には行ったことはないけど、想像は付く。初回でボトルを入れて、2時間で15万~25万円のお店じゃないかな。銀座では、ミドルクラスのお店でしょう」
――千尋ママこと、青木のり子社長は、どうして、こんなことをしたんでしょうか?
「そりゃ、基本的に、本人がガメツかったんでしょう(笑)。というのは、銀座のお店は大体、似通っているわけです。今は亡き三美(みつみ)など業務用酒販店からの仕入れ、女の子や黒服への給料、水道光熱費……まあ、ハコの大小はあるけれど、突出して稼げるビジネスじゃないんです、銀座のクラブは」
――やはり、千尋ママの属性が大きかったと?
「そうだね。よく誤解されているけれど、銀座のクラブは、経理なんかはしっかりしているんだよ。黒服の中に“総務部長”がいて、金銭面や女の子のサポート、採用なんかで、ママを支えている。客商売のママは絶対に休めない職業でもあるんだけれど、人間だから、それでも休まなければならない時があるじゃない。そんなときに、お店を支えるのがチーママであり“総務部長”なんだよ」
――それは、知りませんでした。
「銀座のクラブで、もしも稼ぎたければ、コストカットするしかない。でもさ、そんなの客にバレバレなわけ。生花が造花になったり、フルーツがみすぼらしくなったり、女の子の質が下がったり。客は敏感さ。お中元やお歳暮の品を見て、店の繁盛ぶりを推測するんだから」
――なるほど。利潤第一にすると、貧乏臭くなるんですね。
「安売り屋じゃないんだから。贅沢が売りの店なのに、節約して、どうするの(笑)。そんな不景気な店、銀座のお客は寄りつきません」
収入隠しだけは絶対にNG
――では、本題に。なぜ、今回のような事件が?
「最初に言ったけれど、銀座のクラブは、金銭的にしっかりしたお店が多いんだ。もしかしたら、大物政治家や高級官僚が、ことによっては宮様だって飲みにくるかもしれない。そんなお店がコソコソ不明朗な経理をしていたら、いけないんだ。分かるよね」
――案外、経理は明朗なんですね。
「そう。財務官僚の通うお店が、脱税で挙げられてたら、シャレにならない。国税だって、本当は銀座のお店に手を突っ込みたくはなかったんですよ。それが、どうしても調べなければならない理由があった。何だと思う?」
――ウーン、分かりません。
「店の収支を赤字にしたからさ。税務申告の基本、赤字にだけはしてはならない。法人でも個人でも、収支を赤字にしたら、税務署の調べが入っちゃう。ていうか、税務署は赤字の法人や個人を調べるのが仕事だ。税金を払っている分には、どんなにパクっててもいい。でも、税金を払わないとなると、これは国家への反逆だ。少なくとも、税務官僚は、そう考える」
――何か、カルロス・ゴーン容疑者と同じ構造ですね。
「そうさ。役人にとって、税金を値切るのはいい。だが、税金を払わない奴は、我慢ならん。彼らは、どんな手段を取ってでも、税金を払わない人間をやっつけようとする」
――税金のプロの税理士さんが付いて、この有り様なんですが。
「おそらく、千尋ママに引きずられたんだろうね。税理士が付いていて、捜査当局が立件するのは、よくよくのこと。というのも、税務署の職員は定年したら税理士になる人が大半だから、当局と税理士は持ちつ持たれつ、ナアナアが基本なんだ。それを挙げたんだから、よっぽど目に余ったんだろう。税務職員は、よくこんな言い方をするよ。『出は隠しても、入りは絶対に隠すな』って。架空の経費を作ったり、通常の出費を経費だと言い張ったりするのは許してやっていい。でも、収入を抜くのだけは絶対に許せないって」
――なるほど、そういうことだったんですね。
「〈ソル〉は東京都中央区銀座8丁目で、千尋ママと〈ダブルファイブ〉社の所在は港区。なのに、東京国税局は千葉地検に告発したって言うんだから、ターゲットは天野文彦税理士なんだろうなあ。おそらく、引退と引き換えに、逮捕だけは免れたんだろう。
事情通氏さんのお話では、令和元年で、10月に消費税が増税される今年は、税務当局も税の公平を期するために、神経を尖らせているんだとか。
2~3月の確定申告で誤って(!)過少申告をしてしまった人は、今からでもじゅうぶん間に合うので、修正申告をしてくださいね。
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