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春のセンバツ、第91回選抜高等学校野球大会の決勝が4月3日(水)、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、東邦(愛知)が習志野(千葉)を6-0で破り、30年ぶり5度目の優勝を飾った。東邦の優勝回数5は、過去最多。平成の最初と最後の優勝校になりました。
エースで3番打者で主将の石川昂弥(いしかわ・たかや)投手(3年)は、史上初の完封&本塁打2発で、甲子園に偉業を刻みました。しかし、その瞬間、2019年プロ野球ドラフト会議が濃い霧に包まれましたよ。石川昂弥選手は、プロ野球に投手で行くの、それとも野手(打者)として挑むの? それと、石川昂弥選手の意中の球団で、地元の中日ドラゴンズは石川昂弥選手を指名するの、それとも高校ナンバーワン投手、星稜の奥川恭伸投手? 謎に包まれたドラフト戦線を一足、早くリサーチしてみました。
記録ラッシュ、平成の甲子園レジェンドに
平成最後の甲子園は、史上初の偉業ラッシュで締め括(くく)られました。
【1試合で完封&2本塁打】史上初
【決勝で完封&本塁打】1985年春、伊野商(高知)の渡辺智夫以来、34年ぶり2人目
【決勝で投手の決勝本塁打】2015年夏、東海大相模(神奈川)の小笠原慎之介以来、4年ぶり2人目
【決勝で2本塁打】2017年春、大阪桐蔭の藤原恭太外野手(当時2年)以来、2年ぶり2人目
【大会通算3本塁打】2015年春、敦賀気比(福井)以来、4年ぶり11人目
【春決勝で完封&猛打賞】2008年、沖縄尚学の東浜巨以来、11年ぶり2人目
【春決勝で完封】2009年、清峰(長崎)の今村猛以来
ゴジラ松井秀喜、怪物・松坂大輔……平成の甲子園のレジェンド級の衝撃でした。
東邦の石川昂弥投手が、大会の始まった大正、昭和を通じてもない快挙を、平成の最後に達成しました。
完封&2本塁打は、決勝に限らず、春夏を通じて史上初めてです。
さらに、決勝で二塁を踏ませないピッチングも初達成。
1998年夏の決勝で、ノーヒットノーランを達成した松坂大輔投手(横浜)でさえも、できませんでした。
過去に決勝で二塁を踏ませなかった投球は1939年夏、海草中(現・和歌山県立向陽高校)の嶋清一(しま・せいいち)と1961年夏、浪商(大阪)の尾崎行雄しかいません。
2019年春の決勝、東邦の石川昂弥投手は97球で完封しましたが、球数の少なさは1976年春、崇徳(広島)の黒田真二の93球に次ぐ2位です。
また、石川昂弥投手は主将を務めましたが、エースで主将の優勝は1968年春、大宮工(埼玉)の吉沢敏雄、1980年夏、横浜の愛甲猛(あいこう・たけし)以来です。
試合の流れの中でも、大活躍でした。
1回表、1死一塁からバックスクリーン右に豪快な先制2ラン。5回には右中間に特大の2ラン。大会3号、平成の甲子園で有終のホームランです。
投げては、被安打3、無四球(死球1)。140キロ台の快速球とキレのある変化球をちりばめ、習志野打線を封じました。
「最後に、自分の力を出し切ろうと思っていました。夢のような時間です」
平成の30年間、あまたのドラマを見つめてきた甲子園球場。緑の芝と黒土に「TOHO」のユニホームが躍りました。
最後の打者を三塁ゴロに打ち取り、右腕を突き上げた石川昂弥投手は歓喜の輪に包まれました。
平成から令和へ。石川昂弥投手の目標は、春夏連覇しかありません。
星稜の奥川か東邦の石川か、悩む中日
歓喜の瞬間をテレビで見届けて、一息ついた瞬間、心の中で疑問がムクムクと湧(わ)き起こってきました。同じ疑問を感じたのは、私だけではないだろうと思います。
それは――、
石川昂弥選手はプロ野球志望ですが、プロに行くとしたら、投手でゆくの? それとも、打者(野手)でゆくの? あるいは、大谷翔平選手(24歳)みたいに“二刀流”に挑むの?
東邦に入った1年春からベンチ入りした石川昂弥投手。元々は長打力のある三塁手として、チームの主軸を打っていました。センバツ決勝までで、高校通算45本塁打を放っています。
これは原辰徳(東海大相模、1974~76)、中村奨成(広陵、2015~17)らの高校通算44号を超えています。
石川昂弥選手の場合、2017~2018の2年間で42本塁打ですから、年20本ペース。今大会で3本打ちましたから、まだまだ17本ぐらい余裕で打つでしょう。なので、高校通算で62本前後に達する可能性が大きいと思います。
現段階(2019年4月4日現在)で、高校通算62本塁打は、今宮健太(明豊、2007~09)と並ぶ、21位です。
その今宮健太は2009年、福岡ソフトバンクホークスにドラフト1位指名(単独)されて、入団しています。
松井秀喜(星稜、1990~92)は高校通算60号で、巨人にドラフト1位指名(競合4球団)。
今宮健太の上には、高校通算64本塁打の清原和博(PL学園、1983~85)がいますが、清原は西武ライオンズにドラフト1位指名(競合6球団)。
さらに、その上には高校通算65本塁打の安田尚憲(履正社、2015~17)。安田尚憲は、外れ1位で千葉ロッテマリーンズから1位指名(競合3球団)。
以上から、1つ言えるとしたら、石川昂弥選手も間違いなく、ドラフト1巡目の1位指名で消える選手だろうということです。
そして、2019年プロ野球ドラフト会議の最大の1位候補は、星稜の奥川恭伸投手です。
すでに、中日ドラゴンズは、奥川恭伸投手の密着マークを決めています。星稜OBの音重鎮(おと・しげき)スカウト(55歳)を中四国担当から、北信越担当に配置転換しました。
中日は、かつての大エース小松辰雄さん(59歳)が、星稜高校OBです。ドラフト1位指名は、奥川恭伸投手でほぼ決まりだろうと思われていました。
しかも、中日ドラゴンズの親会社、中日新聞にとって北陸地区も新聞の購読先である“地元”なんですよ。
ところが、ここに来て記録ラッシュの石川昂弥選手が急浮上です。地元・愛知のヒーロー石川昂弥選手を1位指名しなければ、相当な批判にさらされるでしょう。
平成最初のセンバツも最後のセンバツも東邦高校優勝おめでとうございます!
あとは石川くん、中日ドラゴンズで待ってます!
— ヤススケ (@yasusuke6) 2019年4月3日
東邦の監督 まじめでいいですね〜
優勝おめでとう㊗️ 石川くんにはぜひぜひ中日ドラゴンズに入って地元を盛り上げてほしいです!#チャント #CBC— ミム (@UderY6VZQSCYJUE) 2019年4月4日
東邦・石川昂弥選手はプロへ、スラッガーとして中日、巨人、阪神など評価 | ドラフト会議ホームページ2019 Draft home page https://t.co/ZJ8iMto9M7
志望届ほぼ確定!ありがたい!1〜2位いけるかもやで!— hunxs_exanagram89 (@s_m_do_or_die89) 2019年4月3日
東邦OB 中日 藤嶋健人投手「(石川選手と)一緒にやれたらうれしい…」#中日ドラゴンズ#東邦優勝 pic.twitter.com/bxgtxfJcmX
— カネナシオペラクン (@KanenashiOpera_) 2019年4月3日
中日の悩みは、大きいと思います。
石川昂弥は野手一本で、プロ入り志望
しかし、センバツで優勝を決めた後、石川昂弥選手は、打者宣言をしました。
「僕は打者です。完封より、ホームランがうれしい」
野手一本でプロ入り宣言をした石川昂弥選手は、俊足タイプの野手用スパイクを履いています。
現に、石川昂弥選手は3月30日の2回戦、対広陵(広島)戦で、ピッチャーなのに、何と盗塁も決めています。やはり、根っからの打者志望なんですね。
となると、中日の悩みは深まります。
準ホームの最速151キロ右腕・奥川恭伸投手か、地元バリバリの高校通算45本塁打の石川昂弥選手か。
石川昂弥選手は、中日のみならず、他の11球団も三塁手の上位候補に挙げています。
現時点では、奥川恭伸投手の優位は揺るがないでしょうが、もしも石川昂弥選手を擁する東邦が夏も連覇したら、事情は変わってきます。
果たして、1位指名は奥川恭伸投手か、石川昂弥選手か。
中日ドラゴンズの1位指名は、予断を許さない状況になってきました。
星稜の奥川恭伸が甲子園で優勝投手になる?意中のドラフト球団も!
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