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「ショーケン」のニックネームで親しまれた歌手で俳優、萩原健一(はぎわら・けんいち)さんが3月26日午前10時30分、消化管間質腫瘍(しゅよう、GIST)のため、東京都内の病院で亡くなりました。享年68。葬儀は親族だけで営まれました。故人の遺志で、お別れの会などの予定もありません。
萩原健一さんの命を奪ったGISTとは、いったいどんな病気なのでしょうか? 緊急リサーチしてみました。
16歳でデビュー、「ロックの時代」を駆け抜ける
芸名:萩原健一(はぎわら・けんいち)
本名:萩原敬三(はぎわら・けいぞう)
生年月日:1950年7月26日
没年月日:2019年3月26日(享年68)
出身地:埼玉県与野町(よのまち、現・さいたま市中央区)
家族:妻・冨田リカ(本名・理加)さん(57歳)、
学歴:与野町立(現・さいたま市立)上落合(かみおちあい)小学校卒業、私立聖橋中学校(東京都荒川区)卒業、私立聖橋高等学校2年中退(廃校のため、偏差値不明)
身長:174センチ
血液型:O型
活動期間:1966~2019年
所属事務所:KR株式会社(オスカープロモーションと業務提携)
萩原健一さんは16歳のとき、埼玉県大宮市(現・さいたま市大宮区)でスカウトされました。
17歳だった1967年、人気グループサウンズ〈ザ・スパイダース〉の弟分バンド〈ザ・テンプターズ〉のボーカリストとして「忘れ得ぬ君」でデビュー。
翌1968年には「エメラルドの伝説」「神様お願い!」などの大ヒット曲を次々と飛ばして、アイドル的な人気を集めました。
1970年〈ザ・テンプターズ〉解散後は、沢田研二(70歳)、井上堯之(いのうえ・たかゆき、1941~2018、享年77)、大野克夫(79歳)、岸部一徳(72歳)、大口広司(1950~2009、享年58)らとPYG(ピッグ)を結成しました。
1975年にソロアルバム『惚れた』をリリースして、ソロ活動を開始。1979年「大阪で生まれた女」がヒットしました。
2017年には歌手活動50周年記念アルバム『LAST DANCE』を発表、2018年6月に記念ライブを行いました。
一方で、俳優としても活躍し、1972年に始まったドラマ「太陽にほえろ!」(日本テレビ系)では、刑事のマカロニ役で出演。長髪に白いスーツを合わせるスタイリッシュで型破りな刑事の役で、人気を集めました。
1974年~75年のドラマ「傷だらけの天使」(日本テレビ系)では、探偵として水谷豊さん(66歳)とのコンビで熱演。
1975年からは、それまでのイメージとは一転して、倉本聰さん脚本のドラマ「前略おふくろ様」に主演。板前修業に励む、心優しい青年を演じ、ハイカラな役から和の役風に変貌を遂げました。
また、萩原健一さんは映画志向が強く、『約束』(1972年)、『青春の蹉跌』(1974年)などに主演。
1980年には、故・黒澤明監督(1910~98,享年88)の『影武者』に出演、1994年には『居酒屋ゆうれい』に主演しました。
4度目の再婚直後に発病、理加夫人に看取られ
歌手、俳優として1960年代末の「ロックの時代」を駆け抜けた萩原健一さんは3月26日午前10時30分、都内の病院で、GIST(ジスト)のため、妻でモデルの冨田リカ(本名・理加)さん(57歳)に看取られて、亡くなりました。
「最期は、とても穏やかで安らかに、ゆっくりゆっくり、眠るように息をひきとりました」
萩原健一さんの4人目の妻である理加さんは2011年2月に、萩原健一さんと結婚しました。
しかし、所属事務所によると、萩原健一さんは2011年にGISTの手術を受けて成功しており、理加さんと結婚直後から病と闘っていたことになります。
3月第4週に体調を崩して、病院で診察を受けたところ、医師に「月曜日にまた来るように」と告げられたと言います。
3月25日(月)、病院に行こうとして自宅で倒れ、緊急搬送されました。そのまま翌26日、息を引き取りました。
関係者の話をまとめると、萩原健一さんは「派手なことはやるな」と意思を伝えており、葬儀は27日、家族のみで営まれました。都内の斎場で荼毘(だび)に付され、逝去の報は28日に、事務所に届きました。
萩原健一さんは生前、GISTとの闘病を本人の強い要望で公表を控えていました。
萩原健一さんの命を奪ったGISTとは、どんな病気?
GISTとは〈Gastrointestinal Stromal Tumor〉の頭文字を取った略称です。
Gastrointestinal(胃腸の)Stromal(間質の)Tumor(腫瘍)という意味です。
間質(かんしつ)とは難しい表現ですが、臓器の実質(肉)以外の部分だと、ご理解ください。
例えば、パッションフルーツを想像してください。パッションフルーツの実を割ると、白い果肉の間に、半透明のゼリー状物質の間に、小さくて黒い種子が詰まっていますよね。
あの半透明のゼリー状物質が、間質と考えると分かり易いと思います。
果物の場合は、内部に間質が詰まっているのですが、哺乳類の臓器の場合、外側がゼリー状の物質に覆われているのですね。
ゼリー状と言っても、細胞由来の物質なので当然、腫瘍が発生します。
むしろ、間質よりも、肉質の腫瘍のほうが、摘出しやすいぐらいです。
国立がん研究センターによれば、GISTは、胃や腸の消化管壁の粘膜下にある細胞に由来する「肉腫」の一種です。
厳密には、肉腫(ガン)とは異なりますが、見た目の症状としては、ガンとそっくりです。白血病を考えてください。白血病は血液の癌ですが、症状としては肉腫と似ていますよね。
発症は男女とも差がなく、胃に最も多く見られます。次いで小腸、その他の消化管になります。
発生頻度は10万人に1~2人と少なく、希少がんの1つです。
大まかにまとめると、人間の癌(肉腫)は胃や腸の粘膜内の癌細胞によって内側にできるのですが、外側にできるとGISTになります。
年齢的に、中高年に多く発生する病気です。
明るい「不良」だった萩原健一さん
繰り返しますが、3月26日午前10時30分、永遠の不良と呼ばれた、ショーケンこと萩原健一さんは逝去されました。享年68。早すぎる死でした。
しかし、私見ですが、萩原健一さんは「不良」と言われても、陰惨な感じのする人ではありませんでした。
むしろ、周囲から「お前、何やってんだ」と笑われる感じ。
根っこにはたぶん、反体制みたいなものがあったのでしょうが、それを大衆的に感じさせずに、見事に俳優として飛翔を遂げましたね。
そんな萩原健一さんのご冥福を、心からお祈り申し上げます。
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