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11月19日の夕刻、羽田空港で、ビジネスジェットで帰国した日産自動車代表取締役会長カルロス・ゴーン容疑者(64歳)が、東京地検特捜部に金融商品取引法違反の容疑で逮捕されました。容疑は2010~2014年度の5年で、役員報酬を50億円も過小に申告していたもの。
しかし、50億円もの巨額なお金を、ゴーン容疑者は、いったい何に使ったんでしょうか? とっても気になりますよね。ゴーン容疑者の隠し金の使い道をリサーチしてみました。
ベルサイユ宮殿貸し切り披露宴、NYに新居、レバノンにワイナリー
特捜部の調べでは、ゴーン容疑者と代表取締役グレッグ・ケリー容疑者(62歳)は共謀して、2010~2014年度の5年で、49億8700万円の役員報酬額を有価証券報告書に記載しました。
ところが、実際には99億9800万円もの報酬を受け取っていたのです。
途方もない額です。そんな巨額のお金をゴーン容疑者は、いったい何に使っていたのでしょうか。
全容はまだ解明されていませんが、一部は分かっています。
ゴーン容疑者は3年前の2015年に離婚しましたが、隠し金の50億円から前妻との訴訟費用に充てた疑いがあります。
さらに、2番目の妻と結婚。
フランスのベルサイユ宮殿を借り切って、豪華で盛大な披露パーティーを行っています。
Inside Carlos Ghosn’s Opulent 2016 Wedding At Versailles https://t.co/5qcILRUYT6 pic.twitter.com/cXKKrURgc4
— Confluence Intel (@ConfluenceIntel) 2018年11月20日
えっ、ベルサイユ宮殿って貸し切りにできるの? と思った方も多いのではないでしょうか。いや、できるんですねえ(笑)
さらに、新妻との新居をニューヨークの豪邸に構えました。
そういった費用も、日産自動車につけ回ししていたのではないかと見られています。
また、レバノン人の両親の故郷、レバノンのワイナリーに6年前の2012年から投資しています。
ちょうど過少申告した時期と一致しますよね。
2012年10月、ゴーン容疑者は現地で、投資参入の記念パーティーを行っています。
〈IXSIR(イクスシール)〉というブランド名で、日本でも販売されています。
しかし、そういった諸々の費用を合計しても到底、50億円には届かないんです。
ためしに、試算してみますよ。
前妻との訴訟費用:5000万円
ベルサイユ宮殿での披露パーティー:3000万円
ニューヨークの豪邸:1億円
ワイナリー投資:5000万円
全部足しても2億3000万円ぐらいじゃないですか。誤差を考えても、報道されている使い道は、ゼロが1つ足りない、10億円にも満たないんです。
ゴーン容疑者、ブラジル大統領選に野心か
そこで、囁(ささや)かれているのが、ゴーン容疑者は、実はブラジル大統領選に出馬しようとしていたのではないかとの見方です。
ご承知の通り、任期4年のブラジル大統領選は、2018年10月に行われました。選挙結果は、極右と言われるジャイール・ボルソナロ氏(63歳)が勝ちました。
なので、次の選挙は、4年後の2022年になります。
ゴーン容疑者は、隠し金を選挙資金に充てようとしていたのでは、と見られています。
功成り名を遂げたゴーン容疑者ですが、最終的な身の振り方を政界進出にしてもおかしくはありません。
実際、経済苦境のブラジルでは、ゴーン大統領待望論が湧(わ)き起こっています。
2016年のリオ五輪、ゴーン容疑者が率いる日産はスポンサーとして250億円を拠出。ゴーン容疑者自身も、聖火ランナーを務めています。
ブラジル生まれの成功者として、ゴーン容疑者は、ブラジル国民にとって尊敬に値する人になっています。
確かに、ブラジル大統領選挙の選挙資金なら、50億円あっても足りないぐらいでしょう。
日本の中程度の地方都市でさえ、市長選に出るには1億円、市議選なら5000万円が必要と言われています。
広大な国土のブラジルなら、各州の都市を回るだけで20億円ぐらい、軽く溶けちゃうでしょうね。
朝7時から夜11時まで仕事、ランチは社食でラーメン
ゴーン容疑者は、アマゾン川の支流が流れるポルトベーリョという街で生まれました。
両親はレバノン人で、祖父の代にブラジルに渡ってきました。
1960年、ゴーン容疑者が6歳のとき、一家でレバノンのベイルートに戻りました。
中学までベイルートで育った後、高校からは仏パリで学びました。
大学は、パリ国立高等鉱業学校に進み、卒業後はフランスのタイヤメーカー、ミシュランに就職しました。
ゴーン容疑者、ミシュランで18年間を過ごし、最終的にはミシュラン北米の最高経営責任者(CEO)にまで上り詰めます。
しかし、ミシュランは同族企業。どうしても、トップにはなれません。
そこで、野心家のゴーン容疑者は、42歳のとき、ルノーのヘッドハンティングに応じます。
コストカッターとしてルノーで頭角を現したゴーン容疑者は1999年、日産自動車に迎え入れられ、V字回復へと導いたのです。
現在、ゴーン容疑者は、東京都港区元麻布(もとあざぶ)1丁目のタワーマンション〈元麻布ヒルズ〉に住んでいます。
毎朝、午前7時には横浜市西区の日産自動車グローバル本社に出勤します。
お昼も、外に出るではなく、社員食堂で、大好きなラーメンや塩ザケ定食で済まします。
7時から午後11時まで仕事をしますから、社内では〈セブン・イレブン〉と呼ばれています。
お酒はあまり飲みませんが、たまに東京・三田(みた)の焼き鳥店〈串若〉を訪れます。
焼き鳥店なのに、お気に入りメニューは、なぜか、和風サラダ(620円)です(笑)。
https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131402/13020759/dtlrvwlst/B281272342/#
意外に、つましい食生活なのですね。
5カ所に自宅、でもブラジルが真の故郷
ゴーン容疑者は、1年を3つに分けて暮らしています。
日本、ルノー本社のあるフランス・パリ、残った期間をニューヨークやベイルート、リオデジャネイロなどで過ごしています。
自宅は、5カ所もあるんですね。そのうちの何件かを、日産自動車に購入させて、自分が住んでいたと見られています。
1カ所1億円と見積もっても、到底、先ほどの試算の通り、50億円には程遠い。
まあ、スイスでパーソナルバンクにしている可能性もありますが、年収20億円超のゴーン容疑者ですから、今更、そんなしみったれた貯金はしないでしょう。
やはり、ブラジル大統領選の出馬資金の可能性が最も高いでしょう。
ブラジル、ベイルート、パリと3つの“故郷”を持つゴーン容疑者ですが、なぜか愛着を持っているのは6歳まで暮らしたブラジルみたいです。
超多忙なゴーン容疑者ですが、毎年8月と年末年始は、必ずリオを訪れて、親族と過ごしています。
2017年1月、日経新聞の「私の履歴書」で、ゴーン容疑者は自ら、書き綴(つづ)っています。
「もしかしたら本来の自分に戻れる場所がリオなのかもしれない」
ゴーン容疑者にとって、真の故郷とはブラジルなんですね。
背景に、日産とルノーの主客転倒
今回の逮捕劇の真相は、日産自動車側のクーデターだと見られています。
日産自動車は1999年、ルノーから6430億円の出資を受け、ルノーの副社長だったゴーン容疑者を、CEOとして受け入れました。
ルノーは現在、日産自動車株の40パーセントを所有し、これまでに1兆円の配当金を得てきました。
19年のうちに主客転倒し、いまや、好調な日産自動車に対して、ルノーは苦境に喘(あえ)いでいます。
ルノーの純利益のうち、半分は日産自動車から得られる利益だと言われています。
日産自動車には、ルノーとの関係を見直せとの意見が広がっています。
そういった中で、ゴーン容疑者の存在が会社のためにならないと思った人間が、ゴーン容疑者を追い落とすべく、内部告発に踏み切ったのだと思います。
しかし、ルノーは今更、日産自動車を手放すはずはありません。
ルノーは元国営企業で、最大の株主はフランス政府です。
エマニュエル・マクロン大統領(40歳)は、ゴーン容疑者に特別指示を出していました。
「絶対に、日産を手放すな」
実際、ゴーン容疑者の逮捕を受けて、ルノーは11月20日、ゴーン容疑者のCEO留任を発表しました。
また同日、世耕弘成・経産相は、フランスのル・メール経済・財務相と電話会談し、共同声明を発表しました。
「日産とルノーの提携を支援していく」
「日本とフランスの産業協力の成功の象徴の1つである、日産とルノーの提携を支援することを再確認した」
「協力関係を維持していくという日産とルノーの共通の意志も支援する」
ウーン、ゴーン容疑者の逮捕はなっても、日産自動車からのルノーの排除は難しそうです。
日仏の共同声明は、要するに、こう“翻訳”できます。
「ニッポン政府さん、日産は放さへんで~。どこまでも、ついてゆきます、下駄の雪」
ゴーン容疑者の逮捕騒動は、外交問題にまで発展しまいました。
これからも、ウオッチを続けてゆきたいと思います。
カルロス・ゴーンの逃走方法は?保釈中の東京や空港からレバノンまでルートまとめ
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