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100回目を迎える全国高校野球選手権の地方予選〈南神奈川大会〉で見事、甲子園の切符を勝ち取った強豪・横浜高校。その中でも、1年生ながらレギュラー二塁手の座を勝ち取った度会隆輝(わたらい・りゅうき)選手(15歳)が、注目の的です。
まず、珍しい名字ですよね。渡会隆輝選手のお父さんは、あの有名な元プロ野球選手ですよ。お兄さんも大学野球の強豪に籍を置く野球一家。そんな渡会隆輝選手の家族とは、どんな人たちなんでしょうか? はたまた、プロ入りの意思や、3年後のドラフト会議の意中の球団などをリサーチしてみました。
南神奈川大会、打率7割7分8厘のスーパー1年生
氏名:度会隆輝(わたらい・りゅうき)
生年月日:2002年10月4日(15歳)
家族:父・博文(ひろぶみ)さん(株式会社ヤクルト球団営業部試合運営グループ)、母・祥子さん、兄・基輝(もとき)さん(中央学院大野球部1年)
学歴:千葉県市川市立下貝塚中学校卒業、私立横浜高等学校(偏差値41~52)2年在学
ポジション:内野手
投打:右投げ左打ち
身長:179センチ
体重:72キロ:佐倉リトルシニア、侍ジャパンU-15代表
今回の南神奈川大会で、渡会隆輝選手の属する横浜高校は2回戦の逗子(ずし)高校戦から登場。
9-0の7回コールドと好発進した横浜高校ですが、渡会隆輝選手は二塁手ではなく、2番左翼手で先発出場。4打数2安打1得点の活躍でした。
いくら力量の離れた相手とはいえ、1年生が夏の予選大会初戦で先発出場するのは、極めて異例ですよ。
ましてや、強豪の中の強豪、横浜高校なんですからね。
あの松坂大輔投手だって、1年生の夏はスタンドから、応援していたんです。
それを思っても、渡会隆輝選手がどれほどすごい選手か、首脳陣がどんなに期待しているか、分かりますよね。
3回戦の逗子開成高校戦、横浜高校は8-2で下しました。
渡会隆輝選手は、スタメン落ちでしたが、代打で起用され、きっちりヒットを打って1打数1安打です。
ここまでで通算5打数3安打1得点です。
まあ、首脳陣もね、いろんな選手を試したい段階でしょうから、渡会隆輝選手がスタメンの座を不動のものとするわけにも行かないんでしょうねえ。
4回戦の藤沢清流高校戦。横浜高校は1回表に先制点を失ったものの、打線が爆発しました。
終わってみれば10-2の7回コールド勝ちでした。
渡会隆輝選手はまたも代打で登場ですが、見事、タイムリーを打って初の打点。1打数1安打1打点です。
これで通算6打数4安打1打点1得点ですよ。打率6割6分7厘ですよ。信じられないバッターです。
準々決勝の立花高校戦。横浜高校は調子が上がってきたのか、12-0の6回コールド勝ち。
これって……失礼ながら、準々決勝ですよ。なのに、6回コールドって、すごいの一言です。
渡会隆輝選手は、またまたまた代打で登場です。
この試合もきっちりヒットを打って、1打数1安打1得点です。
ここまで通算7打数5安打1打点2得点ですよ。もう打率は7割を超えています。本当に勝負強いバッターなんですね。
そして準決勝の星槎(せいさ)国際高校湘南(しょうなん)学習センター戦。
この試合、さすがの横浜高校も苦しみました。
1回裏にいきなり3点を奪われました。
重い3点のビハインドですが、横浜高校は3回表に、どうにか2点を返します。
しかし、4回裏にまたも1失点。4-2と引き離されます。
5回表、横浜高校はビッグイニングを迎え一挙5点、7-4と逆転に成功します。
4-4同点二死一、二塁の場面で代打で出た渡会隆輝選手は、カウント2-2からの6球目、内角高めの直球を引っ張り、ライナーで一塁手の頭上を超えるタイムリーヒット、勝ち越し点です。
その後も2点を加え9-4とリードを広げたのですが、粘る星槎国際高校湘南学習センターは9回裏に4点を追加。
結局、9-8と横浜高校はこの大会初めての薄氷の勝利を決めたのでした。
渡会隆輝選手は“代打の切り札”として登場。タイムリーで1点を奪い、自分もランナーとして還りました。1打数1安打1打点1得点。
通算で8打数6安打2打点3得点です。もう打率7割5分です。
そして、台風12号のため、7月28日(土)の決勝が29日(日)に順延となった南神奈川大会決勝。
度会隆輝選手は、先発の二塁手の座を斉藤選手に奪われ、悔しいスタメン落ちです。
ところが6-0で迎えた8回表、渡会隆輝選手は二番手投手の代打で出て、見事ヒットです。1打数安打です。
結果的に、このヒットが呼び水となって、横浜高校は1点追加して7-0となりました。
追う鎌倉学園高校は9回裏に意地を見せて、3点奪取。
試合は7-3で横浜高校が鎌倉学園高校を下したのですが、8回表の1点がなければ6-3とセーフティリードを保てなかったのですから、渡会隆輝選手は実に“いい仕事”をした形になります。
最終成績です。
渡会隆輝選手は、6試合に出場して通算9打数7安打2打点3得点です。
信じられますか、打率7割7分8厘ですよ。
この数字から、次の推論が導き出されると思います。
南神奈川大会で渡会隆輝選手と対戦したピッチャーは、もはや手が付けられなかった。打つ手がなかった。投げるボール、投げるボール、ことごとくヒットにされた。
同じ横浜高校の先輩で、横浜DeNAの筒香嘉智(つつごう・よしとも)外野手の絶好調のときと同じですよね。
対戦投手は、もう投げる球がなくなって、運任せで投げたボールをホームランにされるのです。あんな感じですよね。
あるいは、こうも言えるのかもしれません。
横浜高校の首脳陣は、渡会隆輝選手が、どれほど素晴らしい選手なのか、もう十分に分かっているので、敢えて代打で出した。
早い話、他校のスコアラーから隠したかったわけですよね。
甲子園の本大会を見据えて、他の強豪校から、渡会隆輝選手の弱点をじっくり研究されたくなかったわけですね。
それで、1試合1打数に限定して、隠したんだと思います。
それでも、実力は隠しきれなくて、9打数7安打というすさまじい数字になって表れてしまった。
野球をよく知らない人はご存じないかもしれませんが、スタメンより代打のほうが難しいんですよ。
4打数か5打数でヒットを1本打てば合格のスタメン選手。
一方、代打の選手は1発勝負で、相手投手の球に慣れる余裕もありません。
そういったハンディーのある中で、この数字ですから、侮れません。
ましてや、渡会隆輝選手はまだ1年生なんですよ。つい4カ月前までは中学生だったんです。
父は元ヤクルト度会博文、野村ID野球の黄金期
渡会隆輝選手の父・博文さんは、野村ID野球で黄金時代を築いたヤクルトの元プロ野球選手です。
千葉県船橋市出身、八千代松陰(やちよしょういん)高校から中央学院大学(千葉県我孫子市)を経て1993年ドラフト3位で、ヤクルト入団。
10年間のプロ生活で、ついにレギュラーはつかめませんでしたが、内野や外野を構わず守備固めや、左投手相手の代打など、どこでも使えるユーティリティープレーヤーでしたよね。
2008年に引退したのですが、引退試合では当時小学生だった兄の基輝選手とバッテリーを組んで始球式を行い、試合に華を添えました。
渡会隆輝選手は小さい頃から、母・祥子さんにトスバッティングを手伝ってもらって、バッティングを鍛えてきました。
自宅で、手作りの特製ケージを置いて、バットコントロールを磨いてきたんです。
そのかいあって、佐倉リトルシニアでは中学2年で二塁手のレギュラーを勝ち取り、クリーンアップを打ち始めました。
中学3年のときには、リトルシニアの全国大会で、春、夏と優勝しました。
勢いは止まらず、2017年8月、全日本中学野球選手権大会(硬式)ジャイアンツカップでも、日本一の優勝を遂げました。
侍ジャパンU-15にも招集され、2017年11月に松山市で行われたアジアチャレンジマッチ2017では、チームは優勝、渡会隆輝選手は11打数7安打6打点の大暴れ。
最優秀選手賞も獲得しましたよ。
その勢いで、強豪・横浜高校にこの春から入学して見事、結果を残したんですね。
目標は「プロ」、巨人・ヤクルト・横浜・広島・日ハムが有力
渡会隆輝選手は、将来を問われると、きっちり「プロ野球選手」と即答しています。
横浜高校にも、プロ野球に入るために入学したのでしょうね。
当然ながら、甲子園での活躍も注目ですが、3年後の2021年ドラフトの目玉選手となっていると思われます。
渡会隆輝選手の意中の球団は、もちろん、父・博文さんのいる東京ヤクルトスワローズでしょう。
しかし、目標がプロ野球選手である以上、12球団OK、指名された球団に喜んで入団するものと思われます。
そのときの流れにもよるでしょうが、高校生をよく上位指名する球団、日本ハム、広島、さらには地元・横浜DeNAも参戦してくるだろうと思います。
また現時点で二塁手を固定できていない巨人も、2018年のドラフトで大坂桐蔭高校の根尾昂(ねお・あきら)選手を逃した場合、渡会隆輝選手を上位指名する可能性は大いにあります。
これから3年間で、渡会隆輝選手がどれだけ活躍して、どこのプロ球団に指名されるのか、ウオッチが楽しみでなりませんね。
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