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東京都狛江市(こまえし)の高橋都彦(たかはし・くにひこ)市長(66歳)が5月21日、市役所の複数の女性職員に対するセクハラ疑惑の責任を取って、市長の辞職を表明しました。すると思われたものの、同日の記者会見でセクハラの事実を否定し、辞職する意向はないことを表明しました(5月22日追記)。
高橋都彦市長の経歴や評判、家族、セクハラ疑惑の実際の内容などを緊急リサーチしてみました。
横国大から東京都職員に、格落ちエリートの大出世
氏名:高橋都彦(たかはし・くにひこ)
生年月日:1952年2月5日
出身地:大分県別府市
職業:東京都狛江市長(2期目)
家族:妻、長女
学歴:1975年、横浜国立大学経済学部(偏差値62.5~67.5)卒業
職歴:
1975年、東京都庁入庁
2005年、産業労働局観光部長
2006年、交通局総務部長
2008年、産業労働局理事、公益財団法人「東京しごと財団」理事長
2010年、公益財団法人「東京都公園協会」理事長
2012年、狛江市長選で初当選(得票1万6377票、2822票差、投票率48.42パーセント)
2016年、狛江市長選で再選(得票1万7433票、4577票差、投票率47.01パーセント)
趣味:読書、街歩き
都(みやこ)の彦と書いて「くにひこ」と読みます。
ちょっと変わった当て字ですよね。
その名前に運命づけられていたのか、高橋都彦さんは1975年3月、横浜国立大学経済学部を卒業して“現役”で東京“都”の職員になりました。
これが、出世の始まりですね。
さかのぼって、上の経歴を見ると、早生まれの高橋都彦さんは1浪して、横浜国立大学経済学部に合格したと分かります。
1975年の卒業ですから、入学は1971年ですよね。
当時の国立大学入試の日程は、東大や京大など難関の旧帝大校が集まる一期校、東工大や東京学芸大など専門校や地方大、女子大が集まる二期校に分かれていました。
ハッキリ言うと、一期校が本命で、二期校はすべり止め扱いされていました。
高橋都彦さんの合格した横浜国立大学は、一期校でした。
一期校の中で、東大や一橋大ほどではありませんが、首都圏の国公立大学としては東京都立大学(現・首都大学東京)と並ぶ人気校で、難関でした。
大分県の別府市出身の高橋都彦さんが1浪してでも目指した理由は分かりますよね。
しかし、エリート、とりわけ官僚の世界では、横浜国立大学(通称・横国大)は、東大や京大、一橋大ほどツブシが利くわけではありません。
むしろ、1枚、格落ちの印象です。
そんな事情から、高橋都彦さんは中央官庁ではなく、地方公務員試験を志望したのではないでしょうか。
しかし、公務員試験を真剣に考えた人はお分かりでしょうが、日本の地方公務員試験でいちばん難しいのは東京都です。
出題レベルの難度、正答率、いずれを取っても、中央省庁の国家公務員試験レベルと言われていました。
そんな東京都職員の採用試験に一発で、現役合格したことは、すごいと思います。
しかし、東大や京大卒ではなくても、中央官庁のキャリア官僚になった人は、いくらでもいるわけで。
1浪で横国大、現役で東京都職員――そんな中途半端さ、ショボさ、格落ち感があっても、安定を求める小心さが、高橋都彦さんの人生を物語っているにように感じられてなりません。
女性の胸や尻を触り、宴席で“間接キス”強要
高橋都彦さんは、60歳定年の前年の2012年6月に、狛江市長選に民主(当時)、自民、公明、生活者ネットの推薦を受けて、無所属で立候補します。
対立候補をわずか2822票差の接戦の末に退けて、人口8万2197人(2018年5月現在)、一般会計予算284億600万円(2018年度)の狛江市長に就任しました。
これって結構すごいことで、全国で791ある市の中で、人口規模で狛江市は330位です(2018年4月現在)。
人口規模としては、狛江市は埼玉県の和光市(わこうし)や飯能市(はんのうし)、京都府の長岡京市(ながおかきょうし)、滋賀県守山市(もりやまし)、新潟県燕市(つばめし)に引けを取っていないんです。
そして、高橋都彦市長は2016年6月、2回目の選挙でも再選されました。
前回の市長選と比べて、投票率で1.41ポイント下がったのに、対立候補との票差は、逆に1755票も増えたのに要注目です。
思うに、2回目の選挙結果に、高橋都彦市長は慢心や傲(おご)りが出ちゃったんじゃないかと思います。
2018年3月1日、共産党の西村敦子(にしむら・あつこ)市議(51歳)が請求した情報公開資料の中に、市の女性職員に対してセクハラのあった事実が明らかになったのです。
セクハラの内容は、
✓ 2014年4月の歓送迎会で、女性職員が「(高橋都彦市長の)口をつけたグラスのお酒を、何度も飲むことを強要された」
✓ さらに、複数の若い女性職員らから「夜に誘われることが多くて困っている」「自席に電話が入って、酒席に誘われた」「宴席で、肩や胸を触られた」「車内で手を握られた」「エレベーター内で、お尻を触られた」
当初、情報公開された内部文書では、加害者の役職が黒塗りされていました。
しかし、西村敦子市議は内部資料を見た直後の市議会で、
内部資料で、市の対応について「副市長からやんわりと言うことに」とあることなどから、
「(セクハラをした人物は)市長ではないのか」
と質問したのです。
すると、高橋都彦市長は、
「事実関係そのものが定かでない」
「根も葉もないうわさ」
などと否定したのです。
しかし、新聞の取材に対しては、
「(一般論として)自分が口をつけたコップで酒を勧めることはあるが、異性への関心ではなく、一家意識というか、家父長的な意識でやっている。強要はしない」
「(女性職員が酒を強要されて不愉快な思いをしたことには)認識のずれがあるかもしれない」
と語りました。
さらに、高橋都彦市長は、開き直ったかのように、
「私は九州男児であって、献杯・返杯は文化だと思っている」
と弁解したものだから、かえって炎上してしまいました。
つくづく、キモいオッサンですよね。
九州じゃなくても、献杯や返杯は、むしろ男同士でするものでしょう。
友人や家族でもない女性に、自分と同じグラスを使うように要求するのは、明らかに“間接キス”狙いです。
高橋都彦市長の家族は、妻に娘さんが1人います。
奥さんやお嬢さんがいて、女性職員にセクハラなんて情けない限りですよね。
給与カットで幕引き狙うも、副市長から辞職要求
3月27日の市議会で、高橋都彦市長は、
「私にかかわる話で市政に混乱を生じた……」
などとして、市長の給与を20パーセント、2カ月間カットするという提案をして、可決されました。
見え見えの幕引きで、市民の評判も散々です。
これに対して5月18日(金)、水野穣副市長が、高橋都彦市長に、内部調査の結果、セクハラの事実が確認されたとしたうえで、
「自ら進退を考えてほしい」
と辞職を求めました。
高橋都彦市長は、何も答えませんでした。
しかし、今回の調査結果を重く受け止めて、高橋都彦市長は週明けのきょう5月21日の午後に記者会見を開くことになっています。
おそらく、辞職を表明するものと思われます。
事態が進展した時点で、新しい情報を追記してゆきます。
2018年5月21日 17:30追記
記者会見で、高橋都彦市長は辞職を否定し、居直る格好になっています。
しかし、常識的にも、このままでいいということには決してならないと思います。
近く、何らかの“ケジメ”をつけなければならないのは明らかです。
当ブログは、今後も高橋都彦市長の去就に注目してゆきます。
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