寿司政(東京九段下)のシンコを食べてきた!値段やお得な注文は?












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東京・九段下(くだんした)のすしの名店〈寿司政(すしまさ)〉に初夏の一日、名物のシンコの握りを食べてきました。

数多くの文人、著名人たちに愛された〈寿司政〉のシンコですが、なぜか、いくらしたかの記載はネット上に見当たりません。シンコの値段や、わたしが実際に頼んだお得なオーダー方法をリサーチしてみました。

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年中無休の都心の老舗すし店

店名:寿司政(すしまさ)
所在地:〒102-0074 東京都千代田区九段南1-4-1
電話:03-3261-0621
営業時間
(月~金)
昼 11:30~14:00(ラストオーダー13:30)
夜 17:30~23:00(ラストオーダー22:30)
(土、日、祝)
昼 11:30~14:00(ラストオーダー13:30)
夜 17:00~21:00(ラストオーダー20:30)
定休日:無休
座席数:1Fカウンター7席、テーブル3卓(4人掛け)、2F座敷2部屋(~10名)
予約:可(むしろ、昼も含めて、予約がお勧め)
カード:可(VISA、JCB、AMEX)
創業:1861年(文久元年)

〈寿司政〉は、わたしの知る限り、最も素晴らしい江戸前ずしの老舗です。

もっとも、わたしはミシュランガイドに載る超高級店に行ったことはないので悪(あ)しからず。

逆に言うと、フツーの一般人でも食べられるお値段のお店なんです、〈寿司政〉は。

しかも、年中無休ですよ。銀座辺りの高級すし店は、ほとんど土日祝日が休みなのを考えると、いかに素晴らしくて、使えるお店かお分かりになろうかと思います。

山本嘉次郎、高橋義孝、山口瞳…文人らが通う

秋風や江戸一番の新こはだ

御先代を偲(しの)びて 昭和48年(1973)8月末 山本嘉次郎

という色紙が、かつて〈寿司政〉店内には飾られていたそうです。

山本嘉次郎(やまもと・かじろう、1902~1974、享年72)さんとは映画監督で、グルメでも有名だった方です。

作家の山口瞳さん(1926~1995、享年68)は『行きつけの店』(1993)で、こう書き綴(つづ)っておられます。

山本嘉次郎さんも寿司政の新こを食べないと、自分の夏が終わらないと思っておられたのかもしれない。

山口瞳さんは〈寿司政〉との出合いを、次の通り、書き残しています。

最初に寿司政に行ったのは何年頃だったか、忘れてしまった。古い店は、たいていは高橋義孝先生(1913~1995、享年82)に連れていってもらったのだが、珍しく寿司政は一人で行った。山本嘉次郎さんが寿司政のシンコのことを書いていて、それを見て探索に出かけたという記憶がある。

山口瞳さんは東京の数あるすし屋さんの中で、とりわけ〈寿司政〉を気に入られたみたいです。とりわけ、コハダの稚魚であるシンコを好まれたみたいです。

寿司政へ行くのは夏の終わりに限る。この頃、シンコは八月の半ばから魚河岸に出廻(でまわ)るが、それでも、八月の末のほうがいい。

山口瞳が愛した〈寿司政〉のシンコとは

まずは、シンコの説明を。

シンコとは、ニシン科のコノシロの幼魚で、体長4~5センチほどのものを指します。いわゆる出世魚で、大きさによって名前が変わります。7~10センチはコハダ、12~13センチはナカズミ、15センチ以上はコノシロと呼びます。

熊本県、大阪府、愛知県、千葉県などが大産地です。冬や春先が旬、すなわち産卵期の親と違って、シンコは夏場だけの、6~7月が旬の魚です。

シンコの値段は高く、1キロ当たり4万~5万円するときも珍しくないそうです。

シンコはさばくと、3センチぐらいにしかなりません。塩の振り方、酢での締め方が、いっそう繊細になってきます。まさに、職人仕事です。

すし職人にとって、シンコの仕込みほど重要な作業はありません。

トロは仕入れが8割、シンコは仕込みが8割、とまで言われます。

コハダだって、魚の状態によって締め方、塩加減は二つとして同じものがないデリケートな作業なのに、幼魚のシンコともなれば、いっそう要求される水準が高くなってくるわけです。

いわば、江戸前ずしの華、すし職人の仕事の極致が、シンコの握りなんです。

食通の山口瞳さんが愛したシンコを出す名店が寿司政なんです。再び『行きつけの店』から引用します。

シンコの仕入れには、今でもお内儀(かみ)さん(の戸張百合子さん)自身が魚河岸に行く。百合子さんは何も言わないが、そういうことでも尊敬しないわけにはいかない。江戸一番の味を保つのは容易ではないと思う。

コハダは、最も面倒な寿司ダネだ。酸っぱくてはいけない。そうかといって、パサパサしていたら論外だ。このへんの兼ね合いが問題だ。

初めてのシンコのお味は?

『行きつけの店』を久しぶりに読み返していたら、何だか、たまらなくなって九段下の〈寿司政〉まで、足を運んでみました。

実はわたし、〈寿司政〉には過去何回か行ったことがあるのですが、いまだにシンコだけは食べたことがありません。年来の宿題にかたをつけたいと思います。

行ったのは、午前11時すぎでした。予約しないで行ったのですが、平日だったので幸い、並ばずに入り口近くのテーブルに座れましたヨ。

お通しに、小ぶりなササエの煮たものが出されました。サザエの身はすでに殻からむかれていて、楽に食べることができます。口に含むと、磯の香りが強くして、思わず、ああ夏なんだなあと思ってしまいました。

お昼のランチタイムだったので、お昼にぎり(1944円・税込み)をお願いしました。見てください、この美しい江戸前握りずしを。のり巻き以外の握りずしには全て、煮切りという創業以来の秘伝の醤油(しょうゆ)の一種がハケで塗られているので、わざわざ醤油につけなくてもいいんです。

奥の左からマグロ赤身、タイ、ホタテ、スズキ、最前列左から大トロ、軽くあぶったカツオ、アナゴ、赤貝のひもの巻物と鉄火巻きです。

個人的に、この日はアナゴが素晴らしかったと思います。詰めが甘すぎず辛すぎず、口の中でホロッととろけていゆきます。

お昼にぎりを一通り食べ終わると、店長にお願いしておいたシンコの登場です。うわあ、これが〈寿司政〉のシンコか。想像以上に小さくて、かわいらしい姿です。

これも上に煮切りが塗られています。3枚でづけになっています。

それでは、いただきます。

あ。想像以上にとんがった味です。小さいから、味もかわいらしいのかなと思ったら、コハダのうま味がギュッと濃縮されたみたいな鋭い味です。ワサビの辛みが酢と相まって、キーンと鼻の奥を駆け上って行きました。

おいしい、おいしいの一言です。これは、さすがに江戸一番の味です。

最後に、白魚のお吸い物のお椀(わん)が来ました。これまた、磯の香りが後に引く、上品で華やかなお吸い物でした。

シンコの値段に上手な注文方法は?

お吸い物もいただいたので、いよいよお会計です。

本日、わたしと連れの2人で食べ飲みしたものを再掲します。

お昼にぎり(1944円)×2

徳利(1080円)×2

シンコ(時価)×2

さて、レジで請求された金額は、

9720円でした。グッと下腹に力を入れて、さも何げない風に会計を済ませました。

逆算すると、シンコの時価は総額3672円、1貫当たり1836円でした。

もともと、シンコが貴重な魚だとは知っていましたが、これほど値がかさむとは知りませんでした。

わたしたちの場合、店長の職人さんに無理を言って、メニューにないシンコを、お昼に出してもらったんです。

夜の部にお好みで食べたら、これは数万円コースでしょうね。

その意味で、わたしたちの今回のオーダー方法は、かなりお得だったと思います。

最も安いお昼にぎりを楽しめて「シンコはありますか」と職人さんに尋ねたら、わたしたちがすし好きだと見てくれて、いわばお店の好意で出していただけたんです。

なので、我ながら非常にリーズナブルな食べ方になったなと思います。

もっとも、シンコは季節の魚なので常にあるとは限りません。また、時価なので、値段も変動します。わたしたちが食べたのは2017年の7月です。1貫1836円は、あくまでも参考価格ですよ。それをお忘れなく。

山口瞳さんらが愛した夏の味覚、シンコ。実は、わたしはもう食べたくなっています。

コハダの幼魚、シンコを、あなたもこの夏、ぜひ体感してみてください。食べ終わった瞬間から、シンコに恋しくなっているあなたがいるはずです。

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